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地理的な位置関係が政治、国際関係に与える影響を研究する学問である地政学について。
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・生存適地
陸地の中で人間の生活に適した環境である地域を指す。生存適地は人口稠密地域であり、かつ、農耕の適地でもある場合がほとんどあり、比較的人口が増加しやすい地域である。代表的な地域として、東アジア黄河流域、インド半島地域、ヨーロッパ地域、北アメリカ大陸東部が挙げられる。この地域で文明は発達しやすい。
・資源地域
人間生活に必要な食料、材料、エネルギーが得られる地域であり、原始的な生活においては生存適地とその意味するところは変わらないが、工業や技術の発達により従来と異なる資源が必要となると、生存適地とは必ずしも一致しない(ex.砂漠の油田地帯)。
鉱物資源や石油に関していえば、資源地域は局地的に位置しており、文明の性格や技術レベルによってその重要性は大きく変化する。古代ヨーロッパにおけるフェニキア人にとっての銅の産地キプロス島や、近世ヨーロッパにとっての香辛料の産地インド半島などが例として挙げられる。
・交通地域
生存適地の相互間、または資源地域との交通、輸送を行うために必要な経路であり、陸上、海上が主に考えられる(現代においては空路も重要な交通地域といえる)。陸上においては、山脈、砂漠、大河などは障害地域であり、これらの地理的な関係はその集団の他の集団との交易の可能性や、敵勢力から攻撃される可能性、また、技術伝播の可能性などに大きく影響する。
たとえば、中国とインドは隣接しているが、境界に大山脈があるため、交流には大きな迂回の必要が生じた。海上輸送が主流ではなかったころはシルクロードが主要な交通地域の役割を担っていた。現代においては海上交通が高速化・制度化しており、陸路よりも重要なものとなっている。
その中でも特に重要な交通地域の拠点として、マラッカ海峡、スエズ運河、ジブラルタル海峡、パナマ運河などが挙げられる(チョークポイントを参照)。
・自給自足
自分の集団が生存に必要であり消費する資源を自力で獲得することである。自給自足のバランスが崩壊したとき、その集団の発展は阻害され、衰退に向かうと考えられている。しかし、現代においては技術的な発展によって輸送手段が高速化大型化し、非常に活発な貿易が行われ、多くの国が相互補完的な関係になっている。
・シーパワー
海洋権力とも訳され、海上交通路や海外の経済拠点(資源地域や交易拠点など)を維持、防衛するための海軍の能力、輸送船の輸送力、陸地の港湾施設の処理能力などを含めた海洋を支配・利用するための総合能力である。これを保有する国は海洋国家と呼ばれ、アメリカ、イギリス、日本などがこれに当たる。
・ランドパワー
陸上のさまざまな権益、経済拠点、交通路などを支配、防衛するための陸軍の能力や陸上輸送力、陸地の加工力(土木技術や農業技術など)などを含めた総合的な陸地を支配・利用する能力である。これはシーパワーの影響が及びにくい内陸地域において構築されると考えられており、ゆえに、これを保有する国家を大陸国家と呼ぶ。ロシア、中国、ドイツなどがこれにあたると考えられている。
・ハートランド
シーパワーの影響がほとんど皆無であるユーラシアの中央部から北部に広がる地域を指す(ただし、後に北米大陸北部も含めて「拡大されたハートランド」と呼ぶ者もいる)。この地域を支配することは巨大なランドパワーを得ることと同義であると考えられており、冷戦におけるソ連はこの地域を支配しており、この点も現在のロシアが大陸国家であると呼ばれる理由である。
・リムランド
ランドパワーとシーパワーの接触地域である中国東北部から東南アジア、インド半島、アラビア半島を経てヨーロッパ大陸にいたる長大なユーラシア沿海地域を指す。降雨量が一般的に多く、農耕の生産性が高く、人口稠密地域であり、多くの文明、宗教、技術の発祥地であり、政治的には多くの国家によって領土は分割されているという特徴がみられる。
ただ、中東地域はリムランドには珍しく現在では不毛な地域を多く含んでおり、ゆえに、歴史上しばしば統一的な超大国が発生する傾向がある。この地域は生存適地、資源地域を多く含んでおり、この地域の国家が連携すれば非常に強大な勢力に成長しうる。また、この地域はハートランドと隣接しており、ランドパワーの進攻があれば連合化する傾向がみられる。

参照元:ウィキペディア「地政学

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米国のイェール大学で政治学の教授であったニコラス・スパイクマンは、ランドパワー理論やハートランド理論を踏まえてリムランド(ユーラシアの沿海地帯)理論を提唱した。その理論を踏まえ、彼は米国の政策に以下の提案を行っている。
・ハートランドへの侵入ルートにあたるリムランドの主要な国々とアメリカが同盟を結ぶこと。
・この侵入ルートをふさぐ強力なリムランド国家(例、ナチス・ドイツによるフランスやノルウェー支配/ギリシャやトルコとの同盟)をつくらせないこと。
・リムランド諸国間のアメリカ抜きの同盟をバラバラに切断するが、同時に、ハートランドの国にリムランドの国々を支配させないようにする。
スパイクマンは、現代(当時は第二次世界大戦中)の船舶技術において、アメリカをとりまく大西洋も太平洋も「防波堤ではなく、逆に高速道路である」と認識しており、現代の兵器技術において、いかなる国のパワーも地球上のいかなる場所であれ、「地理的距離とは無関係に投入できる」と見抜いており、アメリカの孤立主義(モンロー主義)の不毛と危険を警告し続けた。この提言を基にして大戦後のアメリカの国家戦略が実行されており、これからのアメリカの戦略、国際情勢を予測する上で大きなヒントとする専門家もいる。

参照元:ウィキペディア「地政学
ハートフォード・マッキンダーは英国の地理学者であった。マッキンダーはマハンのシーパワー理論の対称となるランドパワー理論を提唱した。地上の7割は海であるが、人間生活の基盤は地上にあるので、広大な陸地を支配している勢力をランドパワーと考え、また、世界の陸地の3分の2を占めているユーラシア大陸を「世界島」、世界島の中央部でシーパワーの影響外にある地域を「ハートランド」と名づけ、ランドパワーの中心地はハートランドを基盤に世界島へ展開されると考えた。
また、ハートランドの外側に二重の半月型の地域をそれぞれ「内側のクレセント」と「クレセント」として分類し、内側のクレセントにおいてランドパワーとシーパワーが対決するという国際情勢の長期的な構図を論じた。これらの理論と当時の第一世界次大戦後という国際情勢から、ドイツという大陸国家のランドパワーのハートランドへの拡張を警戒し、「東欧を制するものはハートランドを制し、ハートランドを制するものは世界島を制し、世界島を制するものは世界を制す」という有名な言葉を第一次世界大戦後の講和会議に出席する英国の委員に対して述べた。
また、第二次世界大戦においてマッキンダーは、当時の国際情勢の変化に適応して、ハートランドの範囲を一部変更して北米大陸を含めた「拡大されたハートランド」とし、世界島の外部に米国という大きなパワーの出現を考慮し、世界島を制しようとする脅威は東欧ではなくハートランドから生じるものと考え直した。

参照元:ウィキペディア「地政学
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